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20代のころ、闘いがありました。
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最近親しくなった友人が、
"写真館で娘の写真をずっと撮っていてくれていた女性カメラマンさんがやめて、
今回の卒業記念は男のカメラマンさんで、
最初とっても緊張が顔に出ていた。"
と話していて、

そうだ、写真館は辞める人がいるんだ。ということを思い出しました。
そして私は、写真館で雇われでこの仕事をはじめたときに、
この先やめることなく、門戸を開きつづける方法ばかり考えていたことも思い出しました。
(家族写真を任せてもらうには、細く長く撮り続けることが必須だと感じていたので。)

当時の写真館は、
女性の目線や、女性だと子どもがリラックするできると、
女性カメラマンが重宝されて売りになりつつあって、
けれどその一方で長く勤める女性がなかなかいなくて、
それは労働環境や、個人の関心の変化といろいろあるのではありますが、
そういう諸々を疑問に感じていて、
女性とか男性だとかを売りにはしないで、
(男性でも嫉妬するほどよい写真を撮る方はたくさんいますし!)
細く長くいつもそこで写真を撮っている人でありたいと思って、
say photoをはじめたのを思い出しました。

冒頭の卒業写真の一件を話す友人からは、
元の担当カメラマンさんへの感謝の気持ちや、
撮影する機会を大切にしてきたことが感じられて、
この仕事をする者としてうれしかったです。

と、同時に、
私とsay photoのお客さまの間で当たり前になってしまったことを、
今一度、広く伝えてゆく必要があるのかな?と。

お金を出して誰かに撮ってもらうってどんな体験か、
自宅で撮影する赤ちゃんや大人がどんなにリラックスしているか、
カメラマンによって写真が全然違うから、
好みの人に出会うことで人生がちょっと楽しくなるかもしれないこととか。

そう、20代の私は伝えたいと闘っていたことがたくさんあったはず。
say photoが想像以上に、
居心地の良い場所になっていて、
そして私に闘病がふってきたりしていたら、
そんな闘いを忘れてしまっていました。
40代に向けて変わってゆく部分ももちろん認めつつ、
けれど、
発信することは続けた方がいいなと思いました。

最近の私の関心ごとは、
光や風のなかで人がとっても美しいこと。
ジブリ映画の主人公たちが、
空気の匂いをかいだり、
動物と関わるときの横顔が美しいなと思っていたのですが、
実際の目の前の人々もそうなのですよね、
はっとしてしまう表情やしぐさがたくさん。
あの映画の描写たちは、
あくまで現実から生まれたものなのですね。
そういうものを捕まえてうっとりすることが楽しい最近の撮影です。

shiori


by sayphotography | 2019-05-14 13:04 | works
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